契約彼女にした理由
「ポスト………?」


「学も駈も私の息子だ。世間に公表しても私は問題ない。」


「………。」


「ただ、飯島だからポストが欲しいでは駄目だ。我武者羅に仕事して、周りに認められて与えられるんだ。」


「………。」


「学、チャンスはやる。」


「でも………それじゃあ間に合わない!」


「間に合わない?」



葉月とのタイムリミットは2ヶ月ない。



「2ヶ月ないんだよ、葉月の見合いまで。」


「………なら、一ヶ月で成果を出せ。我武者羅に仕事して、一ヶ月で成果を出せ。」


「一ヶ月?そんな無茶な………。」


「やってみろ。それでも間に合わないなら、私が何とかしてやる。吉良副社長は話の分かる男だ。」



親父がクスリと笑った。



「本気の女を見つけたな、学。」


「………ああ。手離したくない。」


「大人になったな。」



嬉しそうに笑う親父に大きく頷いた。



「俺にチャンスをくれ。」
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