契約彼女にした理由
ランチを食べて二人で会社に戻る。



「今日、ラウンジに来いよ。」


「今日?」


「予定でもあるのか?」


「………ない。」


「なら、問題ないな。」



チラリと隣を歩く学を見上げれば、視線に気付いたのか学と視線が合った。



「葉月、何だ。」


「学さん、意外と束縛タイプなんだ。独占欲も強いとか?」


「…………かもな。」



私から視線を逸らした学が小さく呟いた。私は結局仕事帰りに最上階にあるラウンジに行くことになった。


二人でビルに入れば、チラチラと視線が気になる。



「噂になりそう。」


「別に付き合ってるのは本当だから問題ないだろ。」


「問題ね…………。」



私はエレベーターで別れて会社に戻った。


案の定、ランチ帰りの私達を目撃した同僚から質問攻めにあった。



「今、お付き合いしてる彼なの。」



私の言葉に驚きの声が響いたのは言うまでもない。
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