契約彼女にした理由
浜崎にお礼を言うと彼らに近付いていった。


学の視線が私を捉える。



「葉月、ここに座れ。」



学は自分の隣を指差した。私は素直に学の隣に腰掛ける。



「吉良様、何に致しましょう?」


「お腹が空いてるの。軽く何かお願いします。それとブラッドオレンジを。」


「はい。」


「ブラッドオレンジ?」



私は浜崎から隣に座る学を見た。



「アルコールは止めておく。明日もあるし。」


「酒、弱いのか?」


「かもね。だから今日は止めておく。」



私は周りを見渡せば、興味津々に私達を見る男達の視線があった。



「何か?」


「学の彼女になったと聞いたけど?」


「………そうよ。」


「マジか?」


「ええ。そんなに驚く事?」



私は驚く面々を見渡す。私と視線のあった健を見つめた。



「学の提案だろ?」



チラリと学を見た。学の視線と交わる。



「そうだ。俺から『付き合ってくれ』と言った。」



驚く面々に私は首を傾げた。
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