契約彼女にした理由
「葉月、今週の土日は休みか?」


「えっ?」



ホットサンドを食べながら学を見た。



「迎えにいく。親に挨拶するか?」


「………必要ない。ランチの噂が父の耳に入って呼び出された。」


「何か言われたか?」



私をじっと見つめる学を見つめ返した。



「特に。ただコンサルティング会社の篠崎学と付き合う事になったと伝えただけ。」


「それだけ?」


「………そうよ。」



学が観察するように私を見ている。私は学から視線を逸らした。



「ふ~ん、まあいい。」


「…………。」


「土曜日、午後に迎えにいく。」


「何時?外で待ってる。」


「必要ない。家まで迎えにいく。」


「そっちこそ必要ない。」


「寒い中、待たせられない。」


「心遣いありがとう。でも大丈夫だから。」


「ははっ、ははっ、ははっ。」



私と学の視線が笑い声を発している人物に向けられる。


ふと周りの学の友達を見れば、皆がニヤニヤと私達を見ている。
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