契約彼女にした理由
チラリと腕時計を見れば、あっという間に22時になろうとしている。



「ごめん、帰る。明日も朝一から会議だから。」


「送る。」


「いいよ。自分で帰れるから。」


「俺も帰るから。悪い、また明日。」



学が机に置いていた煙草をポケットに仕舞い、強引に一緒に帰ろうとしている。


学の行動に仕方なく一緒に帰る事にした。



「また明日ね、葉月さん。」



人懐っこい笑顔を見せる健達に手を振り、私は学と一緒に店を出た。



「学さん、わざわざありがとう。」


「ああ。明日、今日と同じ場所で待ってる。」


「わかった。本当にマメなのね。意外な一面よね?」


「そうか?」


「見た目は………って止めとく。見た目を言われるのは嫌だったわね。」


「ああ。」



学はタクシーで家まで送ってくれた。



「土曜日は家の中で待ってろよ。外は寒いからな。」



それだけ言うとタクシーで帰っていった。
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