契約彼女にした理由
次の日、誠に学達も一緒に行きたいと言えば、愉しそうに了承した。


私は嫌な予感を胸に秘めながら、ランチに向かう為、エントランスに下りていく。


案の定、OLに囲まれるアッパーのイケメン達に隣の誠を見上げた。



「彼等よ。」


「ははっ、愉しそう。っで、あの茶髪のイケメンが彼氏?」


「そう、今だけのね。」


「今だけね…………。」



誠は私の言った意味が分かったのだろう。恋愛に冷めた私の結婚相手は別にいるという事が。


誠と二人でイケメン集団に近付いていく。



「ランチですか?ご一緒したいな。」


「今度、最上階にあるラウンジに誘って下さい。」


「ここのコンサルティング会社に勤務しているイケメン達よ。」



群がる人達に笑みを見せてはいるが、作られた笑みだとわかる。


学と視線が合うのを感じて手を振った。少し不機嫌な学が私に近付いてくる。



「行くぞ。」



繋がれた手に私はチラリと誠を見上げれば、ニヤニヤと私達を見ていた。
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