契約彼女にした理由
「独占欲………。」



誠の言葉にチラリと振り返った。



「誠、何?」


「いや。」



誠、優翔、健も私達の後をついてきている。



「誠、行きたい店って?」


「ああ。そこでいいのか?」


「学さん、いい?」



隣の学を見上げれば、不機嫌な顔で私を見下ろしている。



「ああ。」



私は誠に頷くと誠のお勧めランチを食べに向かった。



「学だ。」


「えっ?」



聞こえてきた声に学を見上げた。



「学って呼べ。さんはいらない。」


「いや、歳上っぽいし。」


「アイツは呼び捨てで、彼氏の俺がさん付けって可笑しいだろ。学だ。」


「はあ………、学?」


「何だ?」


「呼んだだけ。」



目と目が合えば、少し機嫌が上昇したみたいだ。嬉しそうに私を見下ろしているのがわかる。



「ふふっ。」


「…………。」



私は学と手を繋いでお店に向かった。背後の3人の自己紹介をする声が耳に入ってきていた。
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