契約彼女にした理由
ドライブで来たのは江ノ島だった。



「歩こう。」



学の言葉に外に出れば、海風が私の長い髪を靡かせた。



「風が強いね。」


「ああ、行こう。」



自然と繋がれる手を私は握り返した。海風が吹く中を多くの人が歩いている。


観光名所って事もあり、手を繋いで歩くカップルや家族連れ、友達同士、色んな人達が歩いている。



「葉月、知ってるか?」


「うん?」


「ここの夜は綺麗なんだぞ。」


「意外とロマンチスト?」


「かもな。葉月限定だけどな。」



甘い言葉を吐く学を見上げれば、少し照れたような笑いを溢している。



「学、照れてる?」


「………照れてない。」



可愛い一面にクスリと笑った。


二人で島の頂上を目指して上っていく。狭い道にはお店が立ち並び、多くの人で賑わっている。


私は学に手を引かれて、どんどん上を目指す。そして見えてきた看板にチラリと学を見上げた。
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