契約彼女にした理由
「まさか、ここに行くの?」


「ビンゴ。」


「………本当にロマンチストね。」


「何とでも言え。」



学が私を連れて来たのは―――。



「恋人の丘………。」


「恋人だろ?」


「そうだけど………。学は何度目?私は初めて来た。」


「俺も初めて。」



私は学を眉間に皺を寄せて見つめた。



「嘘でしょ?こんな場所を思い付くなんて………。」


「調べた。初デートの場所をさ。」


「それで『恋人の丘』?」


「ああ。俺と葉月のスタートラインだ。」



私は呆れた顔で学を見上げたが、学が何かを書こうとしている。



「葉月、ほら。」


「………もう。」



私は渡されたペンで名前を書く。


沢山の南京錠が付けられている中に私達も鍵をつける。



「効果ってあるの?」


「さあな。まあ結果は俺達でわかる。」


「検証?」


「だな。」



クスクスと笑う学に私もクスクスと笑った。
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