契約彼女にした理由
「葉月の好みのタイプは?」



学の突然の質問に目が点になった。



「えっ?」


「だから葉月の好みのタイプは?」


「…………特にないけど。」



学の溜め息に私は眉間に皺を寄せた。



「これだけは相手に譲れないモノってあるだろ?」


「じゃあ、学はあるの?」



学の問いに問いで返した。じっと学と見つめ合う。



「俺?葉月だ。」


「…………。」


「俺のタイプは葉月だ。」



私は呆れた顔で学を見た。



「私は特別に美人でもないし、女子力だって高い方でもないけど?」


「ああ。でも葉月がタイプだ。葉月は?俺は葉月のタイプか?」



じっと学を見つめる。真剣な顔の学に目を閉じた。



「イケメンでアッパーの人間。凄く好条件よね?でも私が求めるのは………。」


「求めるのは?」



閉じていた目を開いて真っ直ぐに学を見つめる。



「きっと存在しない。」


「存在しない?」


「本気で愛せる相手なんて。」
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