契約彼女にした理由

ラウンジの男達

最上階にあるラウンジにエレベーターが到着した。


私達は手を繋ぎ、エレベーターから下りた。



「吉良葉月ってお前か?」



突然、目の前に男が現れた。顔を見上げれば、見覚えのある男だ。


そう――――



「出入禁止にした筈よ。」



美月を口説いて遊んで捨てた男だ。美月が元気なく、問い詰めたら白状した。



「俺が何をした?」


「分からない?貴方にとっては普通の事かもしれないわね。でも………。」


「…………。」


「Square TOKYOの高級VIPラウンジでは普通の事じゃない。逆に、モラルに欠ける行為として出入禁止にさせて貰ったわよ。」


「はあ?」


「女遊びは他所でやりなさい。」



目の前に立つ男の顔が怒りに染まる。



「証拠でも………!」


「あるわ。勿論よ。」



捲し立てる男の言葉を遮り、低い声で答えた。



「ここは女遊びをする為の場所じゃない。ゆったりと寛いで、友人達と話をしたり、疲れを癒したりする場所よ。」
< 62 / 136 >

この作品をシェア

pagetop