契約彼女にした理由
クリスマスは二人で学の部屋で過ごした。


初めて訪れた学のマンションは高層マンションの上層部に部屋があった。


いくらアッパーの人間でも………31の学が住むには高級なマンションだった。



「立派なマンションだね。」


「親父が買ったんだ。」



一言だけ呟いた学は話を切り替えた。父の話題には触れて欲しくないようだった。


初めて入る学の部屋は生活感のない、モデルルームのような部屋だ。


綺麗に片付けられているが、生活している温もりを感じられない。



「綺麗だね。」


「ああ、掃除は頼んでしてもらうし、外食ばかりだから。」


「ふ~ん。学も訳ありそうね?」


「……………かもな。」



話したがらない学から無理に聞こうとは思わない。


誰にでも話したくない事はある。


でも何時かは話してくれる事を祈った。



「ふふっ、私にもこんな感情があるのね。」


「葉月?」


「ううん。」
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