契約彼女にした理由
年末年始は二人で過ごす時間はなかった。何故なら――――



「学、駈、土産は?」


「アメリカに行ってたんだろ?」



そう、学は年末年始はアメリカにいる親元に帰っていたのだ。


学からは母親はアメリカ人だと聞いていた。


まさかアメリカで育ったなんて思いもしなかったけど。



「俺達から。」


「またこれか?」


「嫌なら持って帰るけど?」


「旨いから貰う。」



渡していたのはアメリカ土産のお菓子だ。毎回、これを買ってくるみたいだ。



「葉月ちゃんは学に何を貰ったの?」


「えっ?」


「まさかお菓子じゃないよね?」



チラリと学を見上げた。



「お揃いの腕時計。」



皆の視線が一斉に私達の腕にある時計に向けられる。



「マジか?その時計、高くない?」


「それなり。首輪はクリスマスに贈ったから、今度は腕輪にした。俺から逃げないように。」



学の言葉に絶句する面々に溜め息を吐いた。
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