契約彼女にした理由
「学、こんなに束縛するタイプなんだね。」



皆に問いかければ、揃って首を横に振っている。



「ない。今までないから。」


「首輪?腕輪?」


「どんだけ縛ってんだよ。」



呆れた声が優翔、健、駈から溢れた。私はチラリと学を見れば、ニヤリとしている。



「葉月、逃げるなよ。」


「………逃げないわよ。」


「葉月ちゃんは何をあげたの?」



健を見れば、興味津々の様子だ。



「普通。」


「普通って何?まさか………葉月ちゃんとか?」


「それが健さんの普通なの?」


「いやいや、違うけど。っで?」



チラリと学を見てから健に視線を向けた。



「マフラー。ほら、付き合いも短いし、学がマフラーしてるのを見た事なかったから。」


「ふ~ん、普通。」



駈の言葉ににっこりと微笑んだ。



「駈さん、だから普通って言ったでしょ。」


「本当に普通だ。」



私の黒い笑みにも普通に答える駈を睨んだ。
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