契約彼女にした理由
「駈さんは?お兄様と帰ってお土産ないの?」


「………欲しいのかよ。」


「駈さんがくれるなら戴くわ。」


「…………ほら。」



駈が何やらポケットから取りだして私の掌に乗せた。


掌に乗せられた物を見つめた。



「ほら、これやるよ。」


「誰かにあげる予定だったんでしょ?こんなのは戴けない。」


「ははっ、くれるなら戴くって言っただろ。遠慮するな。」


「でも………。」


「葉月への土産だから。」



駈をチラリと見上げる。学と同じ瞳が私を見つめていた。



「遠慮するな。」



駈から掌に乗せられた物を見つめた。


綺麗に包装された小さな箱が掌には乗っていた。明らかにお土産用として購入した物だ。



「駈、葉月ちゃんに何を買ったんだよ。俺達にはお菓子だろ。」


「俺達にもちゃんと買って来いよ。」



健と優翔が愚痴を溢している。学に肩を抱き寄せられて凭れた。
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