契約彼女にした理由
私達は年が明けてからも一緒に過ごした。


あれ以来、誠が学の事を話す事はなくなった。



「葉月、週末には泊まりに来いよ。」


「葉月、ランチに一緒に行こう。」


「葉月、ラウンジで待ってて。」



いつもいつも隣には学が一緒にいた。私達は当たり前のように一緒に過ごしていた。



「あの二人、仲が良いわね。」


「いつも一緒にいない?」


「私もあんな彼氏が欲しい。」



ビルでの噂に私は学を見上げれば、学も私を見ていた。



「ふふっ、なんか嬉しい。」


「何が?」


「『仲が良い』とか『あんな彼氏欲しい』とか。学も喜んでない?」


「事実だ。俺は葉月と一緒に過ごせればいい。」



学の優しい笑みに大きく頷いた。



「私も。学と過ごせればいい。」


「おいおい、俺らもいるよ?」


「ラブラブすんな。」



優翔、駈の声に笑い合った。学と過ごす時間は幸せだった。
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