スキースクール殺人事件
「ダメ、繋がらない」
唯衣が電話を切った。
その時、マリたちも戻ってきた。
「誰もいないの…旅館の人もいなくなっちゃった」
「マジで!?」
みんなの顔色が変わる。
「そうだ、近所の人に助けてもらおう!」
将太がスマホを投げ捨てて玄関に向かった。
私達も急いで追いかける。
「な…なんでだよ…!!」
将太が玄関でなにかしている。
「どうしたの!?」
マリが近づく。
「鍵がかかってる…」
みんながまた静まり返った。
「ドアがあかないんだよ!!」
今度はマリが走っていってしまった。
「ま…窓もあかない!」
泣きそうな声でそういった。
「恵美っ…もう嫌だ、帰りたいよ。」
唯衣は泣いていた。
「大丈夫だよ、唯衣。」
「恵美もみたの?」
「…え?」
唯衣が食堂のほうを指さす。
食堂の入口から血だらけの足がでていたのだ。
波瑠と汐梨もそれに気がついたらしい。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
波瑠が叫ぶと、みんなも何事かと指の先をみる。
「う、うわっ…!」
玲が将太にしがみつく。
将太も目を見開いてびっくりしている。
「え!どうしたの!?」
桜は目がよくないからまだ気がついていない。