目を閉じてください
「騙されてるぞ」
「はい!?」
クリーニングした制服を返すためにビルを訪れ、時間が合ったので部屋に行った私に、真部さんが。
予めメールで会えますかと連絡はしてみたけれど、わざわざ時間を作ってくれたのか。
初めて逢ったときからそうだったけれど、偶然あんなに会えて、その上こんな風に会えるのは、本当に奇跡みたいだ。
いや、奇跡なんだ。
かなり忙しい時期みたいなのに。
ドアを入るなり強く抱き締められ、激しくキスされた。
―――やっぱり暖かい。柔らかい。
「俺以外の男とそんなことさせる訳ないだろうが」
「…………???や、妬いてくださってるんですか???…もしかして」
「当たり前だ。ばか野郎が」
キュン、となった。
愛されてると。
―――なんて幸せなんだろう―――