目を閉じてください
地下5階。
エレベーターもやはり静かで早い。
一瞬で着いた。
エレベーターホールから自動扉に真っ直ぐ向かう真部さん。
「どちらに……???」
ただ黙ってすたすたと歩く後ろを手を引かれて着いていく。
そしてマジックミラーで外からは見えない自動扉から出て、白い壁に煉瓦をあしらったデザインの壁の角をぐるりと曲がった先。
エレベーターホールが外から見れば建物の柱状になっていて、周りには高級車が数台並んでいる。
「あっ…」
見覚えのある車があった。
その柱状の建物の出た反対側。
そこも外からは見えないマジックミラーになっていたけれど、センサーの扉を入ると、
『management room』
とシルバーのプレートがある。
管理人室だ。
「仲田さん???とお孫さん」
また名前を聞いていなかった。
「あっ…」