目を閉じてください


長く、
永遠にすら感じられた。


「………わ、私、勘違い、しますよ。…重いですよ。迷惑ですよきっと」


ふっ、と顔が離れ、震える声で絞り出した。


「本当はクリーニングなんかどうでもいい。………明日また来る。指名予約だ。いいな」


「………っ!!む、ムリです!!他の看護士さんに」


「お前がいい」


平静を装って必死で抗うけれど、一蹴される。


ただ、他の看護士に触れられたくはなかった。


この人は、きっと他の女性にも同じことをする。
そんな考えがよぎってしまう。


「どうしてそんなこと仰れるんですか!?会ったばかりで」


「さあな。ちなみに自分で歯医者に来たのも生まれて初めてだ。今までは家に来てもらってたからな」


「な、そんな」


そんなお坊っちゃまなのか???


「とにかく、明日も居ろ。いや、なんなら部屋に来るか??」


「いいい、いや、結構です!!」


カーテンを開けて飛び出すと、壁から覗いていたらしい女性の看護士が2人、慌てて隠れた。


ひいい!?


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