目を閉じてください
「正直、女性とは一線引いているお前が、あんな風に人目も憚らないことするとはと、驚いたよ。これは運命の女性だと」
グラスのビールを飲み干し、嬉しそうに語る真部さん。
「今そんな話しなくてもいいじゃないですか!?そんなむやみやたらと女性と遊んだりはしません!!」
赤くなって慌てる斎さん。
なんだか可愛い。
「仮にもビルのオーナー一族に迎える女性です。誰でもいい訳ではありませんから」
「何より斎本人が、子孫を残したいと思える相手でなければな」
「……し、もう酔ってらっしゃるんですか…叔父さん、初対面の女性の前で」
「し、子孫とか、妻とか……私はそんなつもりでは!!ただ友人の一人としてお相手していただければ充分ですっ!!!」
わたわたと慌てる私。
「第一私みたいな変人より、婚約者さんがいらっしゃるじゃないですかっ!?」
「そうなの???」
お母さんが驚く。
そういえば文玻にしか言ってなかった。