目を閉じてください
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ふたつ隣の市街地。
位置的には、自宅からおよそ10キロの都心にあるBC.square.TOKYO。
そこから15分ほど、直角に西寄りにある分院。
あのビルほどの規模ではないけれど、それなりに大きなオフィスビルの3階。
こちらは一応、治療科目も充実していて、一般の患者さんも来る。
ただし、相場より治療費が高めで、課長クラスやそれなりの立場の方がやはり多目。
お子さま、学生は対象外。
「文李さん、今日もよろしく」
「お願いします」
変わらずイケメンの患者様が来られる。
こちらは指名制ではない。
お気に入りの衛生士に当たればラッキー。
やっぱり妙に気に入られるようで、何だかんだ絡まれる。
不動産で営業担当の、筧さん、だったかな。
結婚3年目で奥さまとラブラブだ。
「今度お茶でもどう??」
社交辞令なのは承知の上だ。
「喋らないでくださいね~」
喉元にクリーニング液が入ってゴボッとむせる。
「ほらあ」