甘い天秤
楓さんに相談してみようか……と思ったところで考え直す。


楓さんに相談してしまうと、必然的に兄に話がいってしまうだろう。それは困る…。


じゃぁ、綾かな。……そうだ!綾なら、遠慮なく的確にアドバイスしてくれるだろう。


でも、実家の事を知らないから、そこから説明しなくてはならない。いつか、話そうと思っていたからいい機会かもしれない。


そうと決まったら、メールでもいれておこう!


早速、相談があるから来週あたりゆっくり話がしたいとメールを送ると、好奇心いっぱいで、何!?何!?と返事が返ってきた。


それはゆっくり時間があるときに、と送ると、なるべく早く聞きたいからと月曜のディナーに誘われた。


明日は彼氏の龍さんとデートらしく、私も笹川さんとデートなので助かった。


「お嬢様。到着しました。」


綾とのメールのやりとりをしていたら、いつの間にか自宅マンションに到着していた。


「あっ、はい。ありがとうございました。」


外に出てドアを開けてくれるであろう、運転手に自分で降りる事を告げ、車から降りる。


地面に足をおろして、もう一度お礼を言いドアをしめた。

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