甘い天秤
「いや、俺も休日に凛と一緒にいれて舞い上がってしまって……。気持ちを伝えたかったから。お礼を言われる事はなにもしてないよ。そう言えば、クッキーのお礼、まだしてないね。何かプレゼントしたいんだけど、なにがいい?」


「プレゼントなんて……そんな、もらえません」

「堅苦しく考えないで。今日の記念としても贈りたいんだ。アクセサリーとかどうかな?」

「ありがとうございます。じゃぁ、私からも贈らせてください。海に連れてきてもらったお礼に」

「よし!決まり!ランチして買い物行こうか」

「はい!お願いします」



それから私たちは再び車に乗り込み、大型ショッピングモールにやってきた。


「何が食べたい?結構歩いたし、お腹すいたね」

「はい。すごくお腹すきました。朝が軽めだったので」

「そうだったんだね。お昼少しすぎちゃったし…ごめんね」

「いえ、大丈夫!その代わり、たくさん食べれそうです」

「ははっ!じゃぁ、たくさん食べよう!」


緊張も不思議と心地よく、私はそんな事を口ばしっていた。でも、伊織さんが笑ってくれたから、恥ずかしさもなく勢いで「はい!」と答えた。


パスタとピザをシェアして、しっかりデザートまで頂いた。食後、紅茶を飲みながらお互いにたくさん食べたねと笑いあった。
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