甘い天秤
仕事が終わり、綾が迎えに来てくれた。朝のあの出来事から秀人くんとは話していない。


お互いプロジェクト始動で忙しく、今の私には助かる。


「凛ー!あれ?なんか、疲れてない?」


ほんと、綾には敵わない。今日、私の話を聞いても友達でいてくれるだろうか?……離れていくかもしれない……。家の事を話すのは、やっぱり緊張する…。


でも、綾はそんな人じゃない…親身になって話を聞いてくれるはずだ。今まで見てきた綾を信じよう。


「疲れてるなら、ウチにする?」

「彼氏さん、仕事から疲れて帰ってくるんだからダメよ」


綾は付き合って3年になる彼氏さん、龍さんと同棲しているのだ。さすがに、上がり込めない。


「え~、別に大丈夫だよ!」

「そんな、悪いから…。ウチにしよう!なんなら泊まっていきなよ。服もサイズ変わらないから貸すし」

「え…?凛の家、初めて!楽しみ!じゃぁ、デパ地下でお惣菜買って帰ろう!」

「そうだね。お酒は、ワインとビールならあるし」

「やった!決まりっ!」


そのあと私たちは電車に乗り、ウチの近くのデパートで買い物をし、私のマンションの前に着いた。

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