甘い天秤
デスクに座り、バックを一番下の引き出しにいれ、パソコンを立ち上げる。


届いていたメールを確認し、返信をしていると、元気な声が聞こえてきた。


「おはようございます。凛さんっ!」

「おはよう。秀人くん。」

「凛さん、今日の夜参加しますよね?」

「うん。参加するよ。」

「やった!あまり、凛さん飲み会とか参加しないから……今日は金曜だからゆっくり飲みましょうね!」

「そうだね。営業さんと一緒だから、大人数になりそうだし、あまり交流ないから情報交換できたらいいね。」

「もう!凛さんは、仕事の事ばかりじゃないですか!たまには、仕事忘れましょうよ!」

「それさっき、綾からも言われた。」


先ほどの綾との会話を思い出し、苦笑いをする。


そんな彼、織田秀人くん。今年26才。私の一つ下の後輩だ。

人懐っこく、明るくて仕事も出来、容姿も整っている。
160㎝で5㎝のヒールを履く私でも、少し見上げるぐらいの身長。

多分180㎝近くあるんじゃないかな。可愛らしい顔つきで、アイドルの様なのに体つきはやっぱり男性で、スーツの上からでも分かる。笑うと八重歯とえくぼがまたギャップだ。


年下の女の子はもちろん、年上のお姉さまたちにも幅広く人気がある。若手一の期待の星だ。


私も秀人くんの笑顔にいつも癒されている。


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