甘い天秤
しばらくして、腕をといて私の肩に手をおき、軽くたたいてから


「さぁ!凛。食べて、飲もう!!」


綾も涙目だ。こんなに私の事を分かってくれる親友に感謝をして、私も元気に返事をした。


私のお気に入りのワインをあけて、乾杯する。


しばらく他愛もない話をして、いい感じにお酒も入ったところで、綾も気になっているであろう、家のことを話した。


「え~!!実家、長谷川建設なの!?こんな家に住んでるから、さぞかし凄いと思ってたけど…予想以上!!」

「凄いのは私じゃないけどね」

「そうだけど…学生の時とか、誘拐未遂とか大変だったんだね」

「誘拐未遂は事件になってないから、私はそんなに重くとらえてなかったけど……学生の時はそれなりに大変だったかな」

「でも、これからは私もいるし…彼氏も、もうすぐできそうだし」

ニヤニヤしながら私を見ている。


「で?どうなの?笹川さんは…」


その言葉に日曜の事と、今日の朝の事、そして二人が兄弟で私たちの会社のご子息である事を話した。


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