甘い天秤
「えぇーーーー!?そんな短期間に!!それは…考え込んじゃうわね」

「でも、一番厄介なのは、私の気持ちなの…。二人とも気になっちゃって…普通、好きな人は1人でしょ?……私、あまり恋愛経験ないから…よく分からなくて…」

「そんな事、仕方ないわよ!いい男二人に同時に言い寄られてるんだから。すぐに答えはださなくてもいいんじゃない?」

「うん…。伊織さんは待つって言ってくれてる」

「きゃーー!!伊織さんだってぇー!」


どうやら綾はそうとう酔っているみたい。私はそんな綾を見て、苦笑してしまう。

「あ、ごめん、ごめん…。凛に幸せが近づいていると思うと、嬉しくて…」


私は綾の言葉にジンとしてしまった。


「ありがとう……綾」

「なによー!改まって。親友なんだから!まぁ、あまり深く考えずに、自分の心に正直になるだけでいいんだよ。凛が一緒にいたい人は誰か。シンプル、イズ、ベスト!」


私が一緒にいたい人……


なんとなく見えた気がする…


パッとその人の顔が浮かんで……


心に何かがストンと落ち、収まりがいい…。


あーー…。わかっちゃった…。
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