甘い天秤
「おっ!なんかスッキリした顔してる!答え、出たみたいね」

「えっ?もう!何でわかるの?ホント、綾には敵わない」

「よかったわ!で?どっち?」


自分の気持ちがわかったばかりで、恥ずかしい。


「う……ん…。……秀人くん……。伊織さんにも、もちろんドキドキするんだけど…。なんか、憧れが強くて…。一緒にいたいと思うのは秀人くんなの…。秀人くんの事考えると、胸が締めつけられて、苦しくなって……今、何してるのかとか、朝の事を気にしてないかとか、そして、何より嫌われたくない……」

「秀人くんの事、好きなんだね…」


綾が凄く優しい顔で私を見ている。ホント、綾が友達でよかった。


「うん…。好き……」

「いやぁ~ん!凛、可愛い!!」


そういいながら抱きしめてくれた。


「凛の気持ち、伝えなきゃね!笹川さんには申し訳ないけど、それが凛の答えだからね」

「うん…。ありがとう。綾に聞いてもらって良かった」


それから、明日も仕事だから早めに切り上げ、お互いお風呂に入り、寝る支度をした。


私は、自分の気持ちがわかったからか、それからずっと秀人くんの事ばかり考えていた。


でも、お酒も入っていたからか、いつの間にか眠りについていた。
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