甘い天秤
パ、パニック!!振られると思ってたのに……いや、まだ安心は出来ない…。ちゃんと聞かなきゃ。
「あ、あの、この間一緒にいた女性は…?」
秀人くんが答えるより先に、伊織さんの声が聞こえた。
「お見合いさせられたんだよ。先方があまりにしつこくて、会社にまで押し掛けてきてね。秀人は次期社長だから」
「え?……伊織さんは?」
「俺は会社経営には興味ないからね。……でも、会社にこのままいられないな……凛に振られてしまったし…。そのまま何事もなかったように働けるほど、神経図太くないし…。」
「っ!すみません…。」
「凛さん、謝る事ない!兄貴、そんないい方するなよ!凛さん、本気にするだろ!プロジェクト終わったら海外に転勤の話あっただろ!」
「このくらい、いいだろ!最後の悪足掻きだよ!」
あっ…。兄弟喧嘩してる…。
「じゃぁ、凛。俺、お邪魔だろうから帰るな」
「あっ!伊織さん!ごめんなさい!!……ありがとう!!」
伊織さんにはきちんと話せなかった。でも、この人のことだ。全部わかった上で、秀人くんを呼んでくれたんだろう。
「あ、あの、この間一緒にいた女性は…?」
秀人くんが答えるより先に、伊織さんの声が聞こえた。
「お見合いさせられたんだよ。先方があまりにしつこくて、会社にまで押し掛けてきてね。秀人は次期社長だから」
「え?……伊織さんは?」
「俺は会社経営には興味ないからね。……でも、会社にこのままいられないな……凛に振られてしまったし…。そのまま何事もなかったように働けるほど、神経図太くないし…。」
「っ!すみません…。」
「凛さん、謝る事ない!兄貴、そんないい方するなよ!凛さん、本気にするだろ!プロジェクト終わったら海外に転勤の話あっただろ!」
「このくらい、いいだろ!最後の悪足掻きだよ!」
あっ…。兄弟喧嘩してる…。
「じゃぁ、凛。俺、お邪魔だろうから帰るな」
「あっ!伊織さん!ごめんなさい!!……ありがとう!!」
伊織さんにはきちんと話せなかった。でも、この人のことだ。全部わかった上で、秀人くんを呼んでくれたんだろう。