甘い天秤
「凛。俺こそ、ありがとう……恋を教えてくれて…。幸せに。でも、秀人と別れたら、いつでも俺のところにおいで」

「兄貴ー!!俺達は別れない!!」


伊織さんは意地悪に笑いながら、軽く手を上げて帰っていった。



「凛さん……。今日から、俺の……俺だけの凛さんだよな…」

「うん…。大好きだよ。秀人くん…。」


そういうと、また秀人くんの腕の中に引き戻された。
あ~…。落ち着く……恋をしている、この胸の高鳴りも心地いい。


「あー……たまんない…。あの凛さんが今、俺の腕の中にいる…。どれだけ恋い焦がれていたか…。凛さんには身をもってわかってもらわなきゃな」


秀人くんがにっこりと微笑んでいっている。
あ、この笑顔……大好き…。


「私、秀人くんが思うより、秀人くんの事大好きだから…。秀人くんにも私の気持ち、わかってほしい」

「そんなの……殺し文句だから…。もう、我慢できない…。凛さん、場所変えよう。ウチ来る?」

「うん。私も秀人くんと二人きりになりたい…。」


まさか、自分の口からそんな言葉が出てくるなんて思ってもみなかった。


「もうー!そんな可愛い事言って…。追い討ちかけないで…。ギリギリで我慢してるんだから…。あ~、早くキスしたい!」

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