甘い天秤
「到着!……凛…。はい、どうぞ」


秀人くんは私の前に座り、私が秀人と呼ぶのを待っている……。


「しゅっ、秀……人っ…」


手をギュッと握り膝の上において、目を瞑り声を出した。
なのに……


「……?ちゃんと!」

「えっ?」

「だから、ちゃんと言って……。」


やっだっ!なに!?めちゃくちゃ、甘えて可愛いっっ!
もう……恥ずかしさなんてどうでも良くなってきた……


「秀人……。かっ……」

「か?」

「かっ……可愛いっ!!」


私はそう言いながら、ガバッと秀人に抱きつく。


「えっ!?」


秀人は驚いて私を抱き止めながら、後ろに手を置いて体を支えている。


「もうっ!秀人……可愛いっ!!」

「りっ、凛……。もう……余裕なんてなくしてやる…。」


どうやら私は、地雷をふんだらしい…。




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