甘い天秤
two
随分集中していたようだ。気づくとお昼になっていて、綾から、昼食はデスクで摂るとメールが来ていた。


ならばと、私も仕事をしながら食べれるようにパンにしようと、財布を持ち近くのパン屋さんへと向かう。



お昼という事もあり、店内はたくさんの人で溢れていた。
ここのパン屋さんは私が幼い頃から食べている味だ。


本店は私の実家の近くにあり、両親も、二つ上の兄も大好きだ。


お気に入りのパンをトレーに二つのせ、3時のおやつ用にここの名物でもあるクッキーもとりレジに向かった。


お会計をしていると、奥からここの店を任されている一人娘の楓さんが顔をだした。


「やっほー!凛ちゃん!元気にしてた?」

「お久しぶりです、楓さん。なかなか顔だせなくてすみません。元気ですょ。」

「相変わらず綺麗ね!奥にいても凛ちゃんってすぐ分かっちゃった!」

「何いってるんですか!それを言うなら楓さんがでしょ!」

私たちはクスクス笑い会う。


楓さんは私の兄の奥様だ。小さい頃からお互いの家を行き来する、いわゆる幼馴染みである。


ちなみに年は兄と同い年で、幼い頃から一緒にいた事もあり、自然と付き合い結婚した。とても仲がいい夫婦だ。


まだ子どももいなくて、バリバリ仕事をしている。


「今度のパーティー、出席だよね?蓮が言ってた。」


蓮とは、私の兄だ。



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