ハッピーエンドじゃ終われない
「”弥生(やよい)”の…復讐…よ。きっと”弥生”が…私たちに復讐してるのよ…っ!」

みちるはそう言って大声をあげて、地面に手をついて倒れこむ。
”弥生”という名前を聞き、私は一気に過去に引き戻される。

ずっと忘れたくて鍵をかけて封印していたのに。
あの出来事は私にとって、まさにパンドラの箱だ。
それが今、6年の時を経てこじ開けられる。

”弥生”…
まさかそんなこと…

そう、あれは中学2年生の頃だった。
私たちは”弥生”を、いじめていた。
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