ハッピーエンドじゃ終われない
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「いきなりどうしたの?話があるって」

”彼女”は不思議そうな顔をして、私を見つめる。
こんなにも綺麗な顔立ちをして、優しい彼女が3人の人を殺めただなんて信じたくはない。
ずっと、仲の良い友達だと思っていたのに…

「う、うん…ちょっとね」

事実を確認するために、私は”彼女”を人気の少ない夜の公園へと呼び出した。
”彼女”は快諾し、すぐにかけつけてくれていまに至る。
いざ本人を目の前にしたら、”3人を殺したの?”だなんて聞く勇気がもてない。

「もったいぶらないで早く言ってよ。気になるじゃん」

もう、ここまできたら言うしかない。
私は大きく深呼吸をし、呼吸を整える。

「今から変なこと聞くけれど、違っていたら違うって言ってね」

「?…うん」

心臓の鼓動がますますはやくなる。
不思議そうな顔をする彼女に、私は思いきって問いかけた。

「彩女、睦、みちる…3人を自殺に見せかけて殺したの?」

言った。
言ってしまった。
私の言葉を聞いた”彼女”は、笑顔のまま何も言わない。
重い沈黙が流れる。

お願い。
嘘だって…違うって否定して。

私は切に祈った。
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