ハッピーエンドじゃ終われない
ーーーふふっ…

彼女はくすくすと笑い始める。
その笑い声に、私は恐怖を覚える。

この笑い声…みちるの電話で聞いた笑い声と似ている!
何で今まで気づかなかったのだろう。
よく聞いていた声だったのに。
電話ごしでだったから気づかなかったのだろうか。
やっぱり、”彼女”が…

「ふふ…気づかれちゃったか。私が犯人だって」

普段とは違う、狂気を含んだ笑い声。
私は恐怖のあまり足がすくむ。

「香苗って馬鹿で鈍いから絶対気づかないと思ってたのに、見くびってたわ」

いつもの優しい雰囲気の”彼女”と真逆の話し方。
これが本当の”彼女”なのだろう。

「私を騙してたの。友達だと思ってたのに!」

「友達?何それ、私は香苗のこと友達だなんて思ったことないけど?」

”彼女”は私のことをずっと恨んでいた。
笑顔で接しながら、心のなかではどうやって殺そうかと悩んでいたのだろうか。

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