ハッピーエンドじゃ終われない
「そばでずっと、私の行動を監視してたんだね…答えてよ”美織”!」

桜井刑事から告げられた真実。
美織は弥生の実の”姉”だということだ。

美織の本名は”桑原美織”。
”朝比奈”は母親の旧姓だそうだ。

美織は弥生の敵討ちをするため、わざわざ浪人して私と同じ大学、同じ学科に入学した。
大学なら浪人は普通のことで、年齢が上でもおかしくはない。
だから私に近づくチャンスだ。
そう考えたのだろう。

「入学式で話しかけてくれたのも、同じ部活に入ろうって言ってくれたのも、監視のためだったんだね」

「そうよ。全部計画だったわ。香苗に近づくための、ね」

「じゃあ何で…今まで私を殺さなかったの?殺すチャンスなんて、いくらでもあったでしょ?」

美織とはよく遊びに行ったし、二人で旅行にも行った。
旅行先で私が寝ているときに、殺すことだってできたはずなのに。

「理由はいつ殺されるかわからない恐怖を味わわせたかったからかしら。ターゲットは弥生をいじめた喜多彩女、奥山睦、伊藤みちる、重森京華、そして堤香苗の5人。この中の一人を殺せば、全員集まる機会を作れる。そう考えたの」

「確かに彩女が殺されて、他の四人が集合した。でもそれは京華がお葬式に誘ってくれたからで偶然…」

…偶然?
本当に偶然なのだろうか。

まさかとは思うけれど、もしかして…
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