ハッピーエンドじゃ終われない
「いま香苗が考えていること、当ててあげましょうか。”まさか京華もグルなんじゃないか”でしょ?」

そういえば、睦が言っていた。
彩女が亡くなった直後に”偶然”京華と再会して、私たちも誘おうって話になったって。
睦と京華は家が近いわけではないし、今までばったり会ったこともなかったのに、彩女が亡くなった直後に偶然再会するだなんて話ができすぎている。

信じたくはない。
けれど京華も、美織の仲間…!?

「あーあ。私のことだけじゃなくて、あんたも気づかれちゃったよー?残念だったね、京華ちゃん」

え?
京華も近くにいるの?
私は真っ暗な公園を見渡すと、木の影から京華がゆっくりと顔を出す。

「京華…っ!」

「香苗…」

電灯に照らされた京華の表情は、どこか切なげで、悲しい表情をしている。

「どう?仲間に裏切られる気分は。少しは弥生の気持ち、わかったかしら」

美織は私を嘲笑うかのように高らかに笑う。
弥生もあのとき、今の私のように苦しかったのだろうか。

「…あのときあんたが助けてくれたら、弥生は死なずに済んだのに。苦しい思いをせずに済んだのに。結局あんたは中学のときも、今も自分が一番大事なのね。いじめの主犯の喜多彩女なんかより、あんたのほうがずっと最低よ!思い知ればいい。自分の罪深さを…裏切られる苦しみを」


結局、私が弥生を見捨てたことが全ての始まりなんだ。
私のせいでみんなが殺された。
私のせいで美織がみんなを殺した。
私のせいで京華が殺しに加担した。
私のせいで…弥生は自殺した。

みんなの人生を狂わせたのは…全部私のせい。
私は…わたしは!
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