ハッピーエンドじゃ終われない
彩女、睦、みちる、京華、そして弥生と美織。
全員が私の決断で人生がめちゃくちゃになった。
もう平穏だった日々に戻れない。
絶対に。

「………して…」

鮮明だった京華の顔も何もかもぼやけ始める。
目にたまった雫は頬を伝って流れ落ちた。

「美織…私を殺して…」

私はうつ向いたまま、切に願った。
もう私なんて、生きている価値がない。
こんなにも重い罪を背負って生きてなんていけない。

「ふふっ…ふふふふ!」

美織の笑い声が公園中に響く。

「やっと自分の犯した罪を自覚したのね。どれだけ自分が最低なことをしたか思い知ったでしょう?いいわ、殺してあげる。あの世で弥生に謝ってきなさい!」

美織は先ほど京華を刺したナイフで、私にふりかぶる。
ああ…私死ぬんだ。
そうぼんやりと思って、私は目を閉じた。



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