ハッピーエンドじゃ終われない
「うっ!」
美織のうめき声と共に、ナイフが地面に落ちる音がする。
え?
おそるおそる目を開けると、美織が腕を捕まれている光景が目に入る。
「桜井刑事…!」
美織を捕まえているのは、スーツ姿の桜井刑事だった。
「大丈夫か!?怪我はないか?」
「私は大丈夫です。でも京華が…!」
桜井刑事は血まみれの京華のほうを見つめる。
「くそ!遅かったか!香苗ちゃん、早く救急車!」
「はいっ…!」
私はポケットの携帯を取りだし、119番を押す。
早く…早く出て!
「離してよ!香苗を殺さなきゃ、弥生が報われないじゃない!香苗さえ殺せるなら、私は死刑でも何でも構わないから!」
「これ以上罪を重ねたら、本当に死刑になる。弥生さんが君に罪を犯させてでも、本当に復讐を望んでいると思うのか?俺の目の前でもう誰も死なせはしない…!悪いが、こうさせてもらうよ」
私が電話を切ったときには、美織の両腕に銀色の手錠がかけられていた。
手錠がかけられた後の美織は諦めたのか無抵抗になり、その場に膝をついて座りこんでいた。
「もう、君は狙われることはない。怖かったな」
桜井刑事は私の頭に手をぽんとのせた。
その瞬間多くのものを失った絶望と、もう命を狙われることがないという安心感に襲われて、涙が溢れた。
気づけば遠くから、救急車のサイレンが聞こえ始めていた。
美織のうめき声と共に、ナイフが地面に落ちる音がする。
え?
おそるおそる目を開けると、美織が腕を捕まれている光景が目に入る。
「桜井刑事…!」
美織を捕まえているのは、スーツ姿の桜井刑事だった。
「大丈夫か!?怪我はないか?」
「私は大丈夫です。でも京華が…!」
桜井刑事は血まみれの京華のほうを見つめる。
「くそ!遅かったか!香苗ちゃん、早く救急車!」
「はいっ…!」
私はポケットの携帯を取りだし、119番を押す。
早く…早く出て!
「離してよ!香苗を殺さなきゃ、弥生が報われないじゃない!香苗さえ殺せるなら、私は死刑でも何でも構わないから!」
「これ以上罪を重ねたら、本当に死刑になる。弥生さんが君に罪を犯させてでも、本当に復讐を望んでいると思うのか?俺の目の前でもう誰も死なせはしない…!悪いが、こうさせてもらうよ」
私が電話を切ったときには、美織の両腕に銀色の手錠がかけられていた。
手錠がかけられた後の美織は諦めたのか無抵抗になり、その場に膝をついて座りこんでいた。
「もう、君は狙われることはない。怖かったな」
桜井刑事は私の頭に手をぽんとのせた。
その瞬間多くのものを失った絶望と、もう命を狙われることがないという安心感に襲われて、涙が溢れた。
気づけば遠くから、救急車のサイレンが聞こえ始めていた。