暁月夜
彼女の変化
「 ――――――…… 」
絞り出すように吐き出された声は苦しそうなのに、どこかまっすぐに届くようで。
全身で叫んでいるのだと感じた。
まるで大きなバケツを底から一気にひっくり返したような。身ぐるみを剥いで全てをさらけ出すような。
自分の全てをもって言葉を吐き出し叫び歌う。
けれどそれは決して聞き苦しいものではなくて。
私はそんな姿に、どうしようもなく惹き付けられた。
< 1 / 39 >