暁月夜
彼女と彼らの初対面
「じゃあ一枚も俺らのCD持ってないんだ?」
「そうですね。私は実際に歌う姿に惹き付けられているので」
今まで言われないことばかりで話を聞くのが面白いよ、と車のハンドルを握りながら笑うタクさん。
ライブをしたばかりなのにいつも送ってもらうのは罪悪感が積もる、といって歩いて帰るというとじゃあ俺も歩くかなと言う。
そんなことをされると言った意味がないと言うと送る時間も俺がはるちゃんと話すための時間としてちょうだいと言う。
いつもそんなタクさんを見る度にモテるんだろうと思う。
いつの間にかタクさんの思い通りになる。