暁月夜
毎週金曜日の夜、一週間の疲れを身に纏い疲れた身体を引きずって目指すのはこの街の小さなライブハウス。
午後九時、私はいつも一番ドアに近い隅でステージを見るためにそこに通っている。
ステージの上にたつのは couragit。
この街で一度は名前を聞いたことがあるだろうバンド。今最も名を上げているらしい。
そんな couragitのライブが始まると、周りの客が音にのり声をだし身体を揺らすなかで私は一人壁に背を預け、一身にステージ上の彼を見つめる。