【短】こんなクリスマス嫌だっ!!
「たっだいまーー♪…………聖?」
暗くしていた部屋が一斉に明るくなったと同時にお母さんの明るい声とその後のあたしを呼ぶ間抜けた声に、ふたりして固まった。
お母さんと目が合うと、今度は後から来たお父さんと視線がぶつかった。
そばにいる柊の顔もだんだんと青くなる。
ジリジリと近付いてくるお父さんを見た柊は慌ててあたしから離れて、すぐさまスライディング土下座をしに行った。
2人のやり取りを目にして思わず笑ってしまう。
いつの間にか隣に来ていたお母さんが耳打ちをして言った。
それはあたしを心配した言葉と先ほどのあたし達のことについて。
後者はなんとか紛らわせて、なんともなかったとでも伝えるように笑みを向けた。
それでも母親ってものは何かしら見通しちゃってるのかなと思う。
「誠に、申し訳ございませんでしたっ!!」
「もっとひれ伏せ!!」
まだ繰り広げられている2人の様子にお母さんと笑い合った。