【短】こんなクリスマス嫌だっ!!
おまけ
𖠰♡
最悪なクリスマスにしてしまったと思ってた。
でもね、今はすごく幸せに思うよ。
自然と繋いだ手に力を入れた。隣にいる彼も握り返してくる。それが嬉しくって。
「なに、笑ってるんだよ」
「うん。今日は幸せだったなと思ってさ」
柊の家を目指しながらあたしはそう言う。
柊のおかげでこんなクリスマスもありだなって思えたんだもん。
「そっか。よかった」
ふわっと笑う彼に少しドキッとして、同じように笑い返す。
「……あ、着いちゃったね」
「おー、ほんとだ」
家の前で足を止めた。
急に寂しさが込み上がる。それをグッと押し込んであたしは一歩下がった。
「じゃーね!」
「…あ、待って」
そう言って一瞬触れた唇。思わず目を見開いた。
そして、言ったんだ。イジワルな顔をして。耳元で。
「来年は覚悟しといてな。……メリークリスマス」
あたしは耳を押さえながら、もう閉められた玄関を見つめ続けた。
𝐹𝑖𝑛.