拝啓、花の小瓶へ。
「ねえ和馬、明日どうすんの?」
「どうすんのってなんだよ?」
「いや、もう早くいかないよねって」
「行くけど」
「何で?!」
「いやいやいや嫌いって言われてないし!
俺多分そのうち好きになってもらえる人だからな!」
「…あ、そう。」
春川さんが和馬をフった理由。
タイプじゃなかったなんて、そんな言葉で片付けたくない俺がいた。
いい奴なんだから付き合ってやればいいのに。
もうすぐ日が落ちて暗くなるだろう道を、馬鹿みたいに騒いで歩くあいつはどこか無理してる様な気がする。
「もう台無しだ!結構好きだったのに!」
何が台無しなのかさっぱりわからない。
こうやって和馬といる時間が減っても、俺は全然良いと思っていたのに。
「はーあ、もうやだ。ちょっと寄り道しよーぜ?」
「良いよ。どこ行くの?」
「公園。」
無理に口角を上げて、こんなに変な笑みを浮かべる奴を、俺は今まで見たことがなかった。