この空の下、君と、
退屈な入学式
「在校生代表挨拶、佐藤桜(さとうさくら)」
司会をやっている担任の、固い声がマイクを通して聞こえる。
「はい」
機械的に返事をする私。
只今、退屈な入学式の真っ最中。
ステージ横で座っている校長先生や教頭先生に会釈をする。
膝下のスカートに肩につくかつかないか位の内巻きのボブの髪、ネクタイは上まできっちり結んでブレザーとカーディガンのボタンも全てきっちり締めるという、ちょうがつきそうなほど真面目な格好で、私は壇上に上がった。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本日、在校生代表挨拶を努めさせて頂きます。佐藤桜と……
挨拶をしながらチラリと新入生を見ていく。
人によって行動は様々だ。
隣の子とこっそり喋っている子、眠そうにあくびをしている子、あたしの話を真剣な顔で聞いている子。
そんな時、一人の男の子と目があった。
うっすら染めてある茶色の髪の毛と、入学式だというのに緩めてあるネクタイが印象的だった。
顔まではよく見えないが、目があったのだけは分かった。
そして、きっとあの男の子は相当かっこいいのだろうということも。
さっきから何人かの女子生徒が彼を見ながらコソコソ話している。
そんなことを考えながら挨拶を終えたのだった。
「なに、ニヤニヤしてんの、奈美」
まだ入学式が続く中、席に戻ると、親友の飯野奈美(いいのなみ)がニヤニヤしながら待っていた。
「いや~かっこよかったよ桜ちゃん。すんごく真面目そうなかっこして。」
「もう!やめてよ!あたしだってやりたくなかったんだから!」
からかってきた奈美に頬を膨らませて怒ったふりをしてみる。
「ごめんごめん。そんな怒んないでよ。ちょっとからかっただけんなんだから」
「知ってる~!!怒ったふりしてただけです~」
「なんだこの~!」
奈美が言い返した時、後ろから声が聞こえてきた。
「お前ら、ちょっと静かにしろ」
ふざけてるうちにちょっと声が大きくなってたみたい。
司会をやっている担任の、固い声がマイクを通して聞こえる。
「はい」
機械的に返事をする私。
只今、退屈な入学式の真っ最中。
ステージ横で座っている校長先生や教頭先生に会釈をする。
膝下のスカートに肩につくかつかないか位の内巻きのボブの髪、ネクタイは上まできっちり結んでブレザーとカーディガンのボタンも全てきっちり締めるという、ちょうがつきそうなほど真面目な格好で、私は壇上に上がった。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本日、在校生代表挨拶を努めさせて頂きます。佐藤桜と……
挨拶をしながらチラリと新入生を見ていく。
人によって行動は様々だ。
隣の子とこっそり喋っている子、眠そうにあくびをしている子、あたしの話を真剣な顔で聞いている子。
そんな時、一人の男の子と目があった。
うっすら染めてある茶色の髪の毛と、入学式だというのに緩めてあるネクタイが印象的だった。
顔まではよく見えないが、目があったのだけは分かった。
そして、きっとあの男の子は相当かっこいいのだろうということも。
さっきから何人かの女子生徒が彼を見ながらコソコソ話している。
そんなことを考えながら挨拶を終えたのだった。
「なに、ニヤニヤしてんの、奈美」
まだ入学式が続く中、席に戻ると、親友の飯野奈美(いいのなみ)がニヤニヤしながら待っていた。
「いや~かっこよかったよ桜ちゃん。すんごく真面目そうなかっこして。」
「もう!やめてよ!あたしだってやりたくなかったんだから!」
からかってきた奈美に頬を膨らませて怒ったふりをしてみる。
「ごめんごめん。そんな怒んないでよ。ちょっとからかっただけんなんだから」
「知ってる~!!怒ったふりしてただけです~」
「なんだこの~!」
奈美が言い返した時、後ろから声が聞こえてきた。
「お前ら、ちょっと静かにしろ」
ふざけてるうちにちょっと声が大きくなってたみたい。