この空の下、君と、

「どこいったんだろ…」


さっき奈美と歩いていた場所から体育館までの場所はくまなく探したけれど見つからなかった。

教室にあれば奈美から連絡が来ていてもおかしくないし、登下校中に通る道は帰りに探すとして、他に学校にきてから行った場所は…


「グラウンドの桜の木の下…?」


そうだ。今日は、少し早く学校へついたからグラウンドの一番大きな桜の木から外の景色をぼーっとみていた。


桜の木の下にいることは、グラウンドや、校舎の中からは影になってしまって分からないが、逆に木の下からは、どこの景色もよく見えて、入学式で見つけて以来、私だけのお気に入りの場所なのだ。

「行ってみよう」

あたしは、一人つぶやき、あるきだした。
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