この空の下、君と、

桜の木の下を探してみるが見つからない。


「やっぱり他の場所で落としたのかなあ」

一人でつぶやいていると





「探してるのはこれ?」




声のした方を振り返る。




「え…」



思わず言葉を失ってしまった。

目の前には信じられないくらい顔が整ってるいけめんくん。


うっすら茶髪に染めた髪、180㌢はありそうな身長、くっきり二重の目に、通った鼻筋、薄い唇。制服もネクタイを緩めてうまく着こなしている。


そして、纏っているどこか切なくて、寂しい雰囲気。




整った顔に見入っていると、

「これじゃねえの?」

彼の手にはあたしが探していた星のストラップ。

少しぶっきらぼうなしゃべり方に我に返って返事をする。

「あ!ああ!!それそれ!!それです!!」

「はい、」


私のお気に入りのストラップ。とっても大切なもの。


「ほんとうに、見つけてくれてありがとうございます!!」


目の前の彼に向かってお礼を言う。




「たまたま木の下にいたら拾っただけだから。」


ポケットに手を突っ込んで、桜を見上げながら彼は言う。




「あの!お礼させてください!!」


大切なものをひろってもらったからには、きちんとお礼がしたい。



「いや、いいから、そうゆうの、」

目の前の彼は明らかにだるそうだけど、どうしてもお礼がしたい。

「でも!!」


「てか、なんでさっきから敬語?」

桜から目線を戻して目の前の男の子はいう。




「え…?逆になんで…?」


あれ、そういえば何故か3年生だと決めつけて敬語で話してたけど、彼はなんねんせいなんだ?


「え、クラスと名前は?」


「1年A組の城木真琴、あんた、2年生だろ?さっき挨拶してた。」

よくおわかりで…

って

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