じゃあ、初キスで
ただならぬ幼なじみ
〈理央side〉
私は風邪をこじらせて、クリスマスのぼっち会にはいけなかった。
結局斗真が提案したスキーには男子が数人だけ参加して、女子も合わせてのぼっち会は別にあったらしい。
みんな心配して連絡をくれたり何人かお見舞いに来てくれたりもしたから、私も寂しいわけではなかった。
だけど……
私は一通り出かける準備をして玄関に行った。
今日は仲いいみんなで集まって初詣
本当は「2人で行こう」って斗真に誘われたんだけど、私がみんなを呼んで大勢で行くことになった。
斗真は怒ってたけど
だって、だってさ
みんながカラオケに行ってた日、お腹がすいたことに耐えきれなかった私がコンビニに行くために出かけたあの日
斗真と葵ちゃんを見かけた時は、単純にこう思った
『あ、2人ってお似合いだ』
「理央?もう行くの〜?」
「うん!行ってきま〜す!」
奥から聞こえて来たお母さんの声にそれだけ返事して、私は家を出た。
葵ちゃんはあまり話したことないけど、斗真のこと好きなんじゃないかなって思ってた。
なんて言うの、勘?
葵ちゃんは美人さんだし、サバサバしてるところもあるらしいけど普通に斗真とお似合いだと思う。
斗真も葵ちゃんと仲良いみたいだし、いいんじゃないかな